どたばた山日記(その5)
イルムケップ山にて ●ゴミ山奮戦記 (平成7年9月16日)

  近年は中高年の登山ブームで登山者は多くなったが、みなさんマナーが良く、山にはゴミが落ちていること
は少ない。落ちていても空缶1個か2個程度である。
真新しい空缶を見ると、自然の中に異質な物体が落ちている感じがして大変気になり、思わず拾ってザック
に入れる。そんな中でもイルムケップ山の無名山からのコースは異質だ。
山菜採りが捨てていったゴミが長年蓄積されたのか、とにかく想像を絶する。広い登山道の両側が背の高い
根曲り竹が密生している。タケノコ採りのメッカなのだろう。
空き缶は勿論、雨ガッパ、普通の長靴、胴長靴、発泡スチロール、アルミホイル等々、所狭しと捨ててある。
これが日本の現状…。ウーーンこれが現実?ウーーン、アンビリーバブル!

イルムケップ山は夕張山地、十勝、大雪連峰の展望台として眺望は抜群であるが…。
下山はスーパーの袋を持っていたので、妻と二人で清掃登山をすることにした。
大きな雨ガッパや長靴は諦め、空き缶や弁当くず等の小物を中心に拾った。山菜採りと同じで、一つ拾いだ
すと人間きりがなく拾いたくなるから不思議だ。
妻は「おとうさん、何で拾いだしたの、きりないっしょ!」とブツブツ言いながらも拾っている。
スーパーの袋5個分もあっという間に満杯になった。この程度だと焼け石に水で、まだまだ山ほどある。
両手にゴミ袋をぶらさげで、だらだらと下りやっとの思いで駐車場に着いた。
完全に拾うことができなかったからか、何かしら疲れと空しさ、虚脱感だけが残った山行だった。
今でも脳裏に焼き付いている「大きな雨ガッパや散乱したゴミ」が頭に浮かび、なぜか行って確認して
見たい衝動にかられる時がある。

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