高原温泉から分かれる入口(ヤンベ分岐)にゲートがあるが、今日は鍵がかかっていなかった。石狩川沿いの林道は非常に走り易い。今日は三連休の最終日で、登山口は車で満杯。今日帰った人もいてかところどころ歯抜け状態で運良く駐車できた。今日の天気予報は晴れ、今は曇っているが何か晴れてくるような予感がする。 【平成10年7月21日】 朝3時起床、4時20分出発。ひんやりとした朝、天候はよさそうだ。テントも少し濡れ重たくなったが、全部かついでサゴのコルへ向かう。ヒサゴ沼からコルへ登りは雪渓で、後ろを振り向くとヒサゴ沼も小さく見える。ヒサゴのコルでザックを置き、軽身(ディバック)でトムラウシへ向かうことにした。少し登るとトムラウシの山頂が見え、写真を撮る絶好の場所に来た。あれ、シャッターが切れない。電池切れだ。電池の予備はヒサゴのコルのザックである。ハアハアいいながら電池を取りに戻った。トムラウシの山頂で電池が無くなったら…と思うと不幸中の幸いだった。天候が良くトムラウシの双耳峰が青空に美しく映える。登山道の周りはこんもりしたお花畑と岩、そし小さな沼、まさに日本庭園というの名がピッタリである。日本庭園の中心部である天沼から巨岩帯、そしてロックガーデンと過ぎ、北沼に着く。もう一息で山頂である。山頂へは沼の左端を通り岩場を登っていく。7時20分に山頂に着く。山頂は大きな岩塊が多くあるが、結構広い。青い空に浮かぶ雲海と山々、本当に息をのむすばらしさである。特に雲海から突き出た十勝岳連峰がよかった。日本百名山の一つであるこことから、10人ほどの東京のパーティと一緒だったが皆さん感激していた。「ナキウサギのように泣きたいほど嬉しい」と東京の人が言っていた。8時に下山開始。途中でナキウサギは何回も見ることができた。ヒサゴのコルでは、シマリスが近くまできで餌をねだるのにはビックリした。ヒサゴのコルで重いザックを背負い、少し辛い登りとなる。化雲岳の分岐を右に折れ、五色ケ原へと進む。永遠と続く広大なお花畑は日本一という。チングルマ、エゾコザクラ、アオノツガザクラがみごとに咲きみだれている。今度はハクサンイチゲの満開の時来たいものだ。足にも相当疲れががきて惰性で歩いている。大沼のキャンプサイトで休憩し、ラーメンを食べる。登山者は我々二人だけで少し寂しい。雲も多くなりトムラウシも見えない。16時20分に登山口へ無事到着する。丁度山の中を12時間歩いたことになる。多少短いが丈夫な足に感謝!(ヤンベ分岐のゲートは鍵がかかっていた)
|